プログラミング学習は何歳からすれば良いのか。

プログラミングを含めた分野のことをSTEM教育といいます。STEMとはサイエンス・テクノロジー・エンジニアリング・マセマティックス(数学)の頭文字を組み合わせたものです。STEM分野は、科学技術の発展により、必要な人材としても考えられています。STEM分野は、男性に比べて女性の割合は少ない状況です。

女子のコンピュータサイエンスの進学率はわずか18%

2015年のNational Science Foundationの調査では,学士卒業の女性割合は,生物59%,数学・統計学43%,物理 41%,コンピューターサイエンス18%,エンジニアリング19%でした。特にプログラミングやエンジニアに関する進学が少ないのが現状です。日本でも同じことが言えます。文部科学省の学校基本調査では,工学系は全分野の中で最も女子の割合が低く15%でした。男女差があり、女性の方が、プログラミングに対する苦手意識をもつという固定観念が存在しています。また学技術への興味は主に小学校を卒業するまでに確立されるとも言われているため、小学生でプログラミングに興味を持っているかどうかは重要だと言えます。

小学1年生がプログラミング体験することで自己効力感が上がる

今回紹介するプログラミングに関する研究(1)では、2017年にプログラミングに関する苦手意識ってどうすれば減るの?という固定観念にアプローチしている研究です。特に女子の苦手意識が高いと言われています。研究では、小学校1年生の児童96名が実験に参加しました。実験では3つのグループに分けました。

実験した3つのグループ

  • Aグループ:1人20分間ロボットをプログラミングで動かす
  • Bグループ:1人20分間プログラミングはしないで、物語をつくりお話しする
  • Cグループ:何もしないグループ

BとCでは、ロボットプログラミングにおいて、男子児童は自分にはできるはずだと言う思いが強くあったが,女子児童にはそういった自己効力感が少なかった。一方プログラミングを行なったAグループには、男女ともに自分ならロボットをプログラミングして動かせると自己効力感があったという結果になりました。結果は下記のグラフです。6点が一番高い値になります。Aのロボットプログラミング体験児童はどの項目も点数が高くなっています。

プログラミングが楽しいかという質問ではロボットプログラミングを実際に行なったAグループの女子児童は、5点でプログラミングを行なっていないBCの女子児童に比べて1点以上高くなりました。一方男子児童は、ロボットプログラミングを実際に行なったAグループの男子児童は、5.6点で、プログラミングを行なっていないBCの男子児童に比べて0.6点高くなりました。Aのロボットプログラミングを行なったグループは男女ともに他のグループと比べて有意な差がありました。

ロボットが楽しいかという質問ではロボットプログラミングを実際に行なったAグループの女子児童は、5.06点で行なっていないBCの女子児童に比べて0.6点高くなりました。一方男子児童は、ロボットプログラミングを実際に行なったAグループの男子児童は、5.87点で、プログラミングを行なっていないBCの男子児童に比べて0.5点高くなりました。

 

最後にロボット操作への自己効力感についてです。ロボット操作を上手にできるかという質問では、ロボットプログラミングを実際に行なったAグループの女子児童は、4.88点で行なっていないBCの女子児童に比べて1.2点高くなりました。一方男子児童は、ロボットプログラミングを実際に行なったAグループの男子児童は、5.13点で、プログラミングを行なっていないBCの男子児童に比べて0.3点高くなりました。Aのロボットプログラミングを行なったグループは男女ともに他のグループと比べて有意な差がありました。

結果からもわかるように、女子児童がプログラミングを体験することでプログラミングに対する自己効力感が上がります。自己効力感があがることで苦手意識も減り、取り組むことができると言えるでしょう。

今回の研究では下記のように考察しています。

6歳児が、すでに男児が女児よりもロボットやプログラミングに対して優れている(特にロボット)というステレオタイプを持っていることが示された。女子児童にテクノロジーに対するポジティブな体験を行うことで、より高いテクノロジーの動機づけに繋がることが示唆された。テクノロジーを楽しむことや自己効力感があることで、さらなる機会を探索し、個々の興味を十分に発達する関心を気づくことに役立つ。

研究から考えれること

今回の研究から、小学校1年生の女子児童でもプログラミングが男子に比べて得意ではないというステレオタイプがあることもわかりました。また男女どちらともプログラミングを経験することで、プログラミングに対する苦手意識を減らし、自分でもできるという自己効力感につながりました。お子さんにできることとして、まずはプログラミングって案外楽しいと思ってもらうことが大切です。ビジュアルプログラミングと呼ばれるプログラミングはわかりやすく、楽しく行うことができます。無料のイベントなどもあるので一度体験してみても良いのではないでしょうか。