算数・数学の授業でプログラミングを学ぶことはどんな効果があるのか

2020年から小学校でプログラミングが必修化となりました。プログラミングは、総合の授業や各教科の一部で行われます。例えば、小学5年生の算数の外角の授業でプログラミングを使用して行います。算数や数学とプログラミングはなんとなく似ているかもしれませんが、実際に算数や数学の授業で習うと生徒たちはどのような学びがあるのでしょうか。

2018年のエーストフォル大学の研究(R)では、算数・数学教育で、プログラミングを授業で取り入れるとどんな効果があるのかについて、15本の研究をレビューしました。対象は、小学生から高校生の研究です。

研究結果として、数学教育にプログラミングを取り入れることで、生徒の算数や数学の学習意欲を向上させ、生徒の数学の成績を向上させることができることが明らかになりました。

ここからは、算数・数学を学ぶモチベーション、生徒のパフォーマンス、生徒間の協働作業と教師の役割の変化という4点について説明していきます。

モチベーション

プログラミングは生徒に新しい方法で算数や数学を実生活に結びつける機会を提供しており、プログラミングは数学に対する学生の態度に影響を与える可能性があります。またレゴのマインドストームロボットを使用した研究では算数に対する態度が改善されることが発見されました。その他、レゴ・マインドストームロボットを使った授業前後のテストをした研究では、学生のSTEMトピックに対する態度に有意な変化がないことを発見しましたが、これは、学生のモチベーションがプログラミング活動の前にすでにかなり高くなっていたからと考察しています。

モチベーション研究に関しては、プログラミングやロボットの使用が学生の数学に対するモチベーションを高めたり、態度を改善したりすることを発見した研究もありましたが、これらの知見を一般化することはできませんでした。

パフォーマンス

Scratchの使用が実験グループの数学学習を加速させたことを発見した研究があります。またレゴ・マインドストームのロボット活動では一部のグループには有用である可能性があることがわかりましたが、全体的な効果は見られませんでした。その他、小学5年生の数学の成績はレゴのトレーニングの後に改善しましたが、中学3年生には変化はなく、どちらの学年の生徒にも問題解決能力の顕著な改善は見られませんでした。

プログラミングソフトScratchを使った活動は、幾何学と結びつくことが多く、正方形、三角形、円、角度などの平面幾何学を使用しています。今後は、プログラミングを算数や数学の他の分野と結びつける研究の必要性を主張しています。例えば、プログラミングはアルゴリズム思考の発達に関連していることから、問題解決能力や論理的思考能力を育成し、生徒の数学学習へのモチベーションを高めるという研究もさらに必要です。

教師の役割

教師が講師としてではなくサポートやガイドとしての役割を果たすことで、学生がグループで問題を解決することが可能になります。教師は教室で問題の解決者としての役割を果たす。学生が課題に直面し、共同作業がうまくいかない時に教師は議論の場に介入する必要があります。教師は、生徒と問題を話し合うことで、再び共同作業がうまくいくようにすることができるのが教師の役割です。

その他、教師が作り出す教室の風土が学生の共同作業に影響を与えます。生徒が他者の意見を尊重し、お互いの意見に耳を傾けるような教室風土は、生徒同士の協調性を高め、普段の役割に変化をもたらします。

生徒同士のコラボレーション

コラボレーションと知識の共有を通して、生徒はお互いに学ぶ機会を得ます。生徒は、グループ内やグループ間で知識を共有し学んでいきます。教師が学生にフィードバックするよりも、学生同士でフィードバックし合うことで、より価値のあるフィードバックを提供したことも報告されています。

以上、4点から説明していきました。まだまだ効果検証が必要な段階ですが、モチベーション・パフォーマンス・教師の役割・コラボレーションの現状の効果をまとめました。よければ参考にしていただけると幸いです。