子ども達がプログラミング言語スクラッチを行う5つの理由

モチベーションの研究を行うデシ博士の自己決定理論では、自律性・関係性・有能感を持つ者は、より自発的に取り組む、創造性を発揮する、人生に満足しウェルビーイングが高いことが明らかになっています。スクラッチとは、デシ博士の理論も考慮しながら作られており、子ども達の楽しい・作りたいといった内発的モチベーションを大切にしています。そのためプログラミングは、英語のコードではなく、ブロックを組み合わせるだけで作れるので、簡単かつ分かりやすいのが特徴です。またプログラミングが間違っている時にエラーの表示も出ないため、作品が思い通りに動かない時も間違えたという認識も持ちにくいのが特徴です。

2013年にスクラッチを開発したMITメディアラボのチームが「なぜスクラッチが好きか」をスクラッチのHPにあるスクラッチスタジオでアンケートを行ないました。8歳から17歳が119の作品の中で、アンケートに回答し、以下の5つの項目にまとめました(論文名はmotivation for making

スクラッチを行う5つの理由

  1. Create(つくる)
  2. Connect(つながる)
  3. Share(共有する)
  4. Learn(学ぶ)
  5. Have fun (楽しむ) 

 

5つの理由とサポート方法

1.Create(つくる)

スクラッチを行う理由の1つ目はつくることです。子ども達は、つくることがモチベーションになっています。スクラッチはアイデアや興味に基づいて作品が作れるからです。

つくること

  • 自身のゲームやアニメーション、アート作品などを作ることができる。
  • 作りたいものを何でもつくれる
  • アイデアを表現することができる
  • 興味分野を形成することができる
  • アーティスト、プログラマー、アニメーターとして探求することができる

サポート方法

  • 制限なく自由に道具や機会を提供する
  • 可能性あふれる多様な作品事例を共有する
  • アニメ・スポーツ・ゲーム・音楽・スポーツ等わくわくする領域を築くことができる
  • 子どもをクリエイターとして敬意を表す

2.Connect(つながる)

2つ目はつながることです。スクラッチはHP上で、友達やオンラインコミュニティのメンバーとつながることができます。

つながること

  • 友人ができ、帰ってこれる場所
  • 所属感を感じれるコミュニティである。
  • 友人とコラボレーションする
  • 興味関心の近い友達を見つける
  • 世界中の人々と出会える
サポート方法

  • 一緒に作ることができる学習環境に誘い、発展するためにサポートする
  • 国を超えて興味を共有し人々をつなげる
  • 興味を共有し、友達や他者とのコラボを促進するイベントや体制を整える。

3.Share(共有する)

3つめは、つながることができるからです。スクラッチでは、HP上に自分の作品を公開し、フィードバックをもらうことができます。お気に入りの作品「いいね!」がついたり、実際に作品を閲覧した人からコメントがくることもあります。

共有すること

  • 作品を見てくれることがモチベーションになる
  • 称賛されるフィードバックを受け取ることが高いモチベーションにつながる
  • 建設的な意見は改善するために役立つ
  • 人気がでることにフォーカスするのではなく、友達がいることに感謝する
サポート方法

  • 共有するプロジェクトをサポートしコミュニティを運営する
  • メンターとして建設的なフィードバックを行う
  • コミュニティに対してモデルとなり維持するため友好的な口調で、時間と資源を提供する

4.Learn(学ぶ)

4つめは学ぶことです。子ども達はスクラッチで作品を作りながら学んでいきます。本人の作りたい作品のために、使用可能なスキルを学ぶことができるため子ども達のモチベーションに繋がります。

学ぶこと

  • プログラミングスキルを学ぶ
  • 美術や描写スキルの向上
  • 他者の作品を見て影響を受け、学ぶ
  • 他者の機会を広げることができる
  • キャリアのための準備として
サポート方法

  • ピアラーニングを推奨するために道具やコミュニティを手がける
  • 多様なスキルのレベルにあるコミュニティメンバーとして巻き込む
  • 創造する過程で子どもが学ぶスキルを視覚化する。
  • 将来の進路や機会について学ぶための方法を提供する

5.have fun(楽しむ)

最後は楽しむことです。子ども達にとってスクラッチは純粋に楽しいものです。つくって共有することが楽しいからモチベーションを維持して行うことができます。

楽しむこと

  • 楽しいから参加する
  • 楽しさと教育の両方を持ち合わせた作品も見られる
  • 様々な活動から楽しいことを選ぶ
  • 楽しいことで友人とつながる。

 

サポート方法

  • ゲームすることではなく、つくることを楽しむこと
  • ティンカリングをサポートすること
  • 様々なプロジェクトや活動を支援すること
  • 創造することと同じくらい社会的交流を支援すること

まとめ

今回はMITメディアラボの研究論文を紹介しました。スクラッチの良いところは、作ることが楽しいという部分を大切にしていることです。子ども達をクリエイターとして自由に表現できるような設計がされています。また共有することもでき、他者とつながる大切さも学べます。世界中にクリエイターがいるため、自分の作った作品が英語でコメントが来ることもあります。子ども達の可能性を広げ、クリエイターとして活躍できる場所を提供している部分が個人的には素晴らしいなーと感じています。

それでは、また。